山の上ホテル

山の上ホテルは、駿河台の高台に位置し、小説家や学者らの利用が多く「文化人のホテル」として知られています。
アールデコ様式の建物は、建築家ウィリアム・メレル・ヴォーリズ氏の設計で、昭和１２（１９３７）年に「佐藤新興生活館」として竣工しました。当初は財団法人日本生活協会の管理下に置かれ、西洋の生活様式、マナー等を女性に啓蒙する施設として利用されていました。太平洋戦争中は帝国海軍に徴用され、敗戦後は連合国軍最高司令官総司令部（ＧＨＱ）に接収されました。ＧＨＱの接収解除を機に、山の上ホテル創業者吉田俊男氏が建物を譲り受け、昭和２９（１９５４）年１月にホテルとしての営業を開始いたしました。
本館は、平成１５（２００３）年６月に千代田区景観まちづくり重要物件に指定されました。別館は平成２６（２０１４）年６月末をもって閉鎖されました。

２０２３年１０月２３日、山の上ホテルのウェブサイトで以下のお知らせが発表されました。

山の上ホテル全館休業のお知らせ
　平素は格別のご愛顧を賜り、厚く御礼申し上げます。
　このたび、創業70周年を迎える山の上ホテルは、竣工から86年を迎える建物の老朽化への対応を検討するため、2024年2月13日より当面の間、休館する事となりました。
休館期間等につきましては未定であり、決まり次第ご報告させていただきます。
　皆様には大変ご迷惑をお掛けいたしますが、何卒ご理解を賜りますよう心よりお願い申し上げます。
　なお、直営店である、「てんぷら山の上Ginza」「てんぷら山の上Roppongi」「てんぷら山の上日本橋三越本店内」「レストランヒルトップ順天堂医院内」は、引き続き営業してまいります。
今後とも変わらぬお引き立てを賜りますよう何卒よろしくお願い申し上げます。
株式会社山の上ホテル
代表取締役社長三科徹

リニューアル後
令和元（２０１９）年１２月１日にリニューアルオープンしました。特徴的なアール・デコ調のオリジナル意匠の復元など、創業当時のエッセンスを参考に新たな空間を創出することで、より魅力的なホテル空間・レストランとなりました。